財布には様々な素材が使われています。メジャーなところでは牛革、馬革、ワニのクロコダイルなどは高級素材として有名です。ガルーシャはそのような皮革素材の中のひとつですがマイナーな素材であまり見かけることはありません。しかしガルーシャは非常に優れた皮革なのです。ここではそのようなガルーシャを使った財布について述べてみたいと思います。
ガルーシャとはエイ革のことです
「ガルーシャって何?」と思う人も多いと思いますがガルーシャはエイ革のことです。「エイ革」と聞いて「エイの革なんて財布に使えるの?」「気持ち悪そう」などと感じる人がいるかもしれません。実は私もエイ革と初めて聞いたときはそう思いました。でも実はエイ革は非常に有用で魅力たっぷりの皮革なのです。そんな魅力いっぱいのガルーシャについて説明してみたいと思います。
日本初!ガルーシャ専門ブランド『アトリエ アクナス公式オンラインショップ』ガルーシャという呼び名について
エイ革は一般に「ガルーシャ(galuchat)」「スティングレイ(stingray)」「シャグリーン(shagreen)」などとと呼ばれています。スティングレイは英語でアカエイのことで、シャグリーンはエイ革や鮫革のことです。ガルーシャという呼び名は人の名前に由来し18世紀フランスで活躍したエイ革職人のジャン・クロード・ガルーシャから取られたものです。
ガルーシャ(エイ革)の特徴
ガルーシャの特徴としては
- 傷がつきにくい
- 海の宝石といわれる美しさ
などが代表的なところです。このことについて詳しく述べてみます。
ガルーシャは傷がつきにくい
エイ革の表面には細かな粒が並んでいます。これは人間の歯と同じリン酸カルシウムでできており非常に硬いという特徴を持ちます。また海洋生物のエイの革なので水に強いという特性を持ちます。これらの理由によってガルーシャは傷がつきにくく非常に長持ちする素材で基本的に手入れをする必要もありません。牛革の財布の寿命が20年といわれるのに対してエイ革の財布は大切に扱えば100年持つといわれています。もっともこの特性は経年変化(エイジング)しにくいということであるのでエイジングを楽しみたいという人には向いていないといえるでしょう。
海の宝石ガルーシャ
エイ革の表面には細かな粒が並んでいることは先に述べましたがこの粒は磨き上げられるとまるで宝石が敷き詰められたような美しさと光沢を放ちます。
スターマーク
エイ革の中心部分には、「スターマーク」と呼ばれる白い斑点が並んでおり、これは光を感知するエイの第3の目というべき器官なのですが、スターマークは一体に一箇所しかないためガルーシャのシンボルともいえる存在でこの部分を目立たせるデザインが好まれます。
ガルーシャの加工方法
ガルーシャの代表的な加工方法は「ポリッシュ」「キャビア」の2種類がありますが一般的にはポリッシュの方が好まれる傾向があるようです
- 「ポリッシュ」は、表面の突起を磨き上げることで光沢感が増し、手触りもツルツルになります。「宝石のような」と形容される表現はポリッシュ加工されたものです。
- 「キャビア」はポリッシュのように磨き上げることをせずにガルーシャの質感をそのまま活かす方法で、表面はザラザラとしています。見た目が世界3大珍味のキャビアに似ていることからこう呼ばれます。